日鉄グループが生んだシャフト炉式ガス化溶融炉は、実は、この岩手県釜石市でその第一号が操業開始された。1979年から、約30年以上も釜石のごみ処理を担っている。
その清掃工場(釜石事業所)は、震災が起きる前の2011年1月に閉鎖され、同年3月、同じく釜石市内の別の場所での新清掃工場(岩手沿岸南部事業所)の試運転時に、震災が起きた。
大きな被害に見舞われた釜石市だったが、幸いにも新清掃工場の施設被害は軽く、ライフラインが復旧したあとにすぐ運転をスタートすることができた。これが震災1か月後の2011年4月のことである。
ところが、震災によって街中は災害ごみであふれかえっていた。被災によって、一般ごみの発生は少なくなっていたものの、震災ごみは前例のない量である。一般ごみと震災ごみを同じように処理しようと試みたが、到底処理できる量ではなかった。そのために、一度閉鎖した旧清掃工場を再稼働させるプロジェクトが発足した。
古い清掃工場のため、整備が必要だったが、再稼働のために全社をあげて取り組んだ。